民宿ふらっとでは、港に揚がった魚を見てからその日のメニューを決めるため、
いつでも能登の新鮮な魚介類に出会えます。この日のメニューは、
甘海老の自家製パスタ、季節の魚のポワレ、
カボチャと「自家製の一番いしり」のスープ。
甘海老の自家製パスタは、甘海老を殻ごと炒め、
旬の旨味が凝縮されたソースを打ち立ての生パスタに絡めます。
仕上げに「かすかも」という海藻で香り付け。
口に入れたとたん、濃厚な海老の風味が広がります。
※「いしり」とは、イカやイワシを発酵・熟成させた能登地方に伝わる魚醤油のこと。

“ベンさん”の愛称で親しまれている
シェフのベンジャミン・フラットさんと、奥様の智香子さん。
ベンさんは、オーストラリア出身。13歳から実家のレストランを手伝い、
オーストラリアの漁師町であるシドニーで修業を積んだのち、料理長を務めました。
その後、結婚を機に来日し、
智香子さんのご両親が経営していた民宿で能登の郷土料理を修得。
「採れたての魚介や野菜、自家製果実など、
フレッシュな食材が身近にある能登は、シェフにとってパラダイスみたいな場所。
イタリアンの基本は地産地消ですから、
食材豊かな能登は、イタリアンに適しているんです。
能登の食材で、能登ならではのイタリアンをつくっていきたい」と語るベンさんは、
能登の食文化とイタリアンを融合させた
「能登イタリアン」という新しいジャンルを切り開いています。

こちらの建物は、智香子さんの両親が経営していた民宿が移転したのを機に譲り受け、
97年に「民宿ふらっと」として再スタート。
智香子さんが生まれ育った家でもあります。
古い民宿の風情を活かした広間には、
ご夫婦で集められたという骨董品がずらり。
古き良きものを愛するお二人のセンスは、料理以外にも光ります。
畳の間で食べるイタリアンは、何とも珍しい取り合わせですが、
これがまたしっくりくるから不思議です。
※2012年7月23日に移転しました。写真は移転前のものです。

ランチ、ディナーともにおまかせコースのみで完全予約制。4,000円～（飲み物別）。
一日四組限定で宿泊も可。
地元の新鮮な食材がすぐに手に入る能登は、イタリア料理にもってこいの土地。
そんな「能登イタリアン」を堪能しようと、
県外や海外からも多くのリピート客が訪れます。
※2012年7月23日に移転しました。写真は移転前のものです。