全長360mの朝市通りに並ぶ露店の数々。
新鮮な海産物をはじめ、採れたての野菜や干物、民芸品などが並びます。
ここ、輪島朝市は、千年も前から続く歴史ある朝市で、日本三大朝市に数えられるほど。
元々は、この場所で農産物と海産物の物々交換をしていたのが始まりなんだとか。
朝の7時半頃になると、リヤカーを引いたおばあちゃんやおかあさんたちが
開店の準備に取りかかり、8時を過ぎた頃には約200軒ある露店が揃います。
やがて観光客や地元の買い物客が行き交い、
賑やかな活気のある掛け声が朝市通りに響き渡ると、輪島朝市の始まりです。
新鮮な食材が手頃な値段で手に入る朝市は、
地元の人たちの台所としても親しまれています。
品物に値札が付いていないものが多く、値段は露店のおかあさんとの交渉次第。
そんなやり取りも市場ならではの醍醐味です。
能登の女性たちは働き者。
昔から能登では、「亭主のひとりやふたりを養えない女は甲斐性なし」
と言われているんだとか。
前掛け、もんぺ、長靴の三点セットがおかあさんたちの定番ファッション。
「まけとくさけに、こうてくだぁ〜」(まけてあげるから買ってください)と、
威勢のいい掛け声でお客さんを呼び込みます。
輪島の朝市は、女性が主役の朝市なのです。
通り掛かりに世間話を楽しむおかあさんたち。
露店の出店場所は、親から子へ、子から孫へと
何代も受け継がれているため、
隣近所のお店同士も長い付き合いなのです。
ヒラメ、ヒラマサ、マダイ、イカ、ブリ、ズワイガニ、アワビ……。
その日の朝に、近くの漁港に揚がったばかりの日本海の幸がずらり。
別名、海の朝市と呼ばれているだけあって、
漂う海の香りに思わず足を止めてしまいます。
魚をおろすのが苦手な人もご安心を。
お店のおかあさんがこちらの要望通りに魚を捌いてくれます。
身の引き締まった鮮魚を次々におろしていく
手際の良い包丁さばきは見事。
おかあさんの職人技に惚れ惚れしてしまいます。
家の畑で採れたばかりの野菜や、旬の果物、
自家製の梅干しや漬物なども並びます。
それぞれの露店にきちんと個性があるのです。
都会ではなかなか見られない珍しい食材も。
あれこれ悩んで、朝市通りを行ったり来たり。
元気な笑顔を振りまく露店のおばあちゃん。
食材を買ったら、オススメの食べ方をアドバイスしてくれます。
生産者と直に話をしながら買い物をする“市場”ならではのコミュニケーションです。
こちらは、小さなござの上で手づくりの布草履を売るおばあちゃん。
能登のおばあちゃんは一見シャイですが、
こちらから積極的に話しかけてみると、底抜けの優しい笑顔で接してくれます。
心の触れ合いを楽しみながらのお買い物です。
カラフルな鼻緒が可愛い布草履は、お土産にもオススメ。
そのほかにも、輪島ならではの漆器や、
一風変わった木の置物なども売られていますので、
ぜひ早起きをして、輪島朝市通りをぶらぶらのんびり歩いてみてください。
色んなものを売っている朝市。見ているだけで楽しい所だけど、行った人から良く聞くのは能登の方言の心地よさ。自分からすると大分標準語によってきた感はあるが、それでも能登特有のイントネーションなど、地元らしさを感じる事ができる。買いたい物が見つかってもすぐ買わず、会話を楽しむのも朝市の楽しみの1つ。