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多田屋からほど近い「田鶴浜町」を通りかかった際、
ちょっと見慣れないものを発見しました。
車を停めてよく見てみると、様々な形をした植物が、棚からぶら下がっています。
まん丸のもの、細長のもの、くびれた形をしたもの……。
いったい何だかお分かりですか? そう、ひょうたんです。
この地域の特産物というわけではないのですが、畑の持ち主の方が、
もう何年も前から趣味で栽培しているんだとか。
都会ではなかなか見られない珍しい光景なので、一同興味津々。
ちょっと寄り道して、お邪魔してみることに……。
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大事に育て上げられたひょうたんは、種抜き、乾燥を経て、
削りや穴開けなどの加工が施されます。
その後、各々ユニークな形状から得たインスピレーションを手がかりに
絵付けが行われ、美しい工芸品へと姿を変えるのです。
全国に多くの愛好家がおり、品評会や発表会も頻繁に行われているそう。
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大きいものになると、1メートルを軽く超えるものも。
自分の重さで落ちてしまわないように、
手ぬぐいのハンモックに支えられています。
「ひとつとして同じ形のものはなく、二度と同じ作品をつくることができません。
それがひょうたんづくりの大きな魅力です」
と、農家のお父さん。
ひょうたんづくりも一期一会なんですね。
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お隣の田んぼでは、ちょうど稲刈りの真っ最中。
穏やかな秋晴れで、絶好の稲刈り日和です。
慣れた手つきでコンバインを操縦するお父さん。
半年の苦労が報われる瞬間、
お父さんの顔はきっとほころんでいることでしょう。
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実りの秋ということで、
のんびりとしたコンバインの機械音があちらこちらで響いています。
たわわに実った稲穂が、自身の重さで倒れかけている様子を見ていると、
まさに「実るほど頭を垂れる稲穂かな」と一句詠みたくなってしまいます。
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秋の柔らかな陽射しを受けてきらきらと輝く刈り取られたばかりの稲穂たち。
黄金色の稲穂を見ていると、いつも美味しいお米を育ててくれるお天道様と、
農家の方々に感謝の気持ちが湧き上がってきます。
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ひなたぼっこをしながら稲刈り作業中のお父さんを見守っています。
きっと晩ご飯のことでも考えているのかな。
それにしても日本の犬は、田んぼのあぜ道がよく似合います。
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ベンチの上に夏の忘れ物が…。
真夏の太陽が照りつける中、畑仕事に精を出すお母さんの姿が目に浮かびます。
今回、ひょうたんにつられて田んぼの周辺を散策しましたが、
流れる時間がとにかくゆっくり。
思いがけないうれしい出会いもありますので、
たまには目的地の途中で車を降りて、自由気ままにぶらぶらしてみては?
知る人ぞ知る秘密のスポット。能登にはこんな素敵な秘密が沢山!しかし、秘密の場所を探すつもりじゃないとなかなか見つけられない。このひょうたんも、どんどん大きくなっていって、小学校低学年くらいの大きさになる。それを見るのを毎回楽しみに側を通る。ただ、ある日刈り取られた後を見た時のショックは計り知れない。