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自然豊かな境内を散策する。歴史香る曹洞宗の大本山「總持寺祖院」

能登空港から、車で西へ約30分。「輪島市門前町」は、
曹洞宗のかつての本山「總持寺」の門前町として栄えた場所。
明治31年の大火で「總持寺」の多くを消失すると、
それを機に本山を鶴見に移転しました。
その際、「總持寺祖院」と改称され、現在も曹洞宗の一大聖地として尊ばれています。

訪れる人々を迎えるこちらの山門は、昭和7年に再建されたもので、
総檜造り、高さ17.4m、間口20m、奥行き14.4mとかなり立派なもの。
今日に至っても、かつて全国1万6千あまりの末寺を統括していた
威厳と風格を漂わせています。

境内の至るところに多様な植物が植えられており、
時節によって緑の濃さ、咲いている花々の種類が移り変わります。
季節ごとに訪れて、四季折々の風景をご堪能ください。
取材時は、紅葉の色付きがちょうど始まった季節。
紅葉の他にも、巨大なイチョウの木もあり、
輪島有数の紅葉スポットとしても人気です。

こちらの趣ある建物は、約5,000冊の大蔵経を収納する経蔵。
一回転させるとすべての経を読んだのと同じ功徳が得られます。
六代目加賀藩主、前田吉徳より寄進されたもので、
明治31年の大火を逃れた建造物です。
寛保3年(1743年)に建立。石川県指定の有形文化財にも選定されています。

柔らかな光が差し込む回廊を歩いていると、徐々に心が静まり、
厳粛な気持ちになってくるから不思議です。
伽藍(がらん)は回廊形式になっており、
訪問者は、悠久の時の流れを感じながら、
大正元年に再建された仏殿へと歩みを進めます。

仏殿に設けられた大きな軒下空間は、
室内と屋外の自然がうまく調和するつくりになっており、
その眺めは窓枠に切り取られた一服の日本画のよう。
薄暗い回廊で目を閉じると、日々の喧騒から離れて、
しばし無心の時間が訪れます。

仏殿をはじめ、香積台、法堂(大祖堂)など、
境内をくまなく参拝できる總持寺祖院ですが、
その際、様々な場所で目にすることができる文化財の数々にもご注目ください。
岸駒作の「花鳥大額」、山岡鉄舟の襖書など、歴史的価値のある貴重なものばかり。
特に、親子二代の名工が、御開山瑩山紹瑾禅師の生涯を二十年かけて彫り上げた
「瑩山紹瑾禅師透かし彫り欄間一代記」は圧巻です。

約2万坪ある広大な敷地にも関わらず、
境内は隅々まで手入れが行き届いています。
夕暮れ時の庭園では、作務衣を着た雲水さんが竹箒でお掃除中。
ゴミひとつ落ちていない、美しい芝生です。
これも大切な修行の一環なのでしょう。

拝観料は、大人400円、高校生300円、中学生200円、
小学生150円(団体割引もあり)。
一般拝観の他にも、年間を通して、さまざまな山内行事が行われています。
また、参禅を体験することもでき、
30分程度のものから2泊3日(要予約)の本格的なものまで。
歴史情緒溢れる曹洞宗の大本山で、
自然に触れながら自分自身の内面を見つめ直す……。
そんな貴重なひとときをご体験ください。
※金額は2012年11月12日現在のものです

門前町にある總持寺祖院。というより總持寺祖院を中心に出来た町門前。總持寺に入る前から厳かな空気が漂ってくる。オススメは秋。ほんのり冷たい空気が、お寺の美しさと日本人の郷愁の心をピンポイントにくすぐってくれる。

多田 健太郎

多田 健太郎
多田屋6代目若旦那

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多田屋から車で90分

〒927-2156
石川県輪島市門前町門前1-18-1

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TEL:
0768-42-0005
営業時間:
8:00~17:00閉門

※大人400円、高校生300円、中学生200円、小学生150円(団体割引もあり)
※金額は2012年11月12日現在のものです

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