能登さくら駅は、七尾湾をぐるっと取り囲むように走る、のと鉄道七尾線の無人駅。
毎年4月上旬〜中旬にかけて、プラットフォーム脇に植えられた
約100本の桜がトンネルをつくります。
その時期は、駅の周りに屋台が出店し、地元のお花見客や鉄道ファンで大賑わい。
桜のトンネルをくぐり抜けるローカル線は、能登の春の風物詩です。
駅の正式名称は、「能登鹿島駅」。
いまではすっかり「能登さくら駅」という愛称で
地元の人たちに親しまれて定着しているそう。
桜の季節は、18時頃から、ぼんぼりでライトアップ。
少し小高い丘の上から線路を見下ろすと、
淡い桜のトンネルをくぐり抜ける一両の車両がミニチュアのおもちゃのよう。
列車は、一時間に数本しか来ないため、シャッターチャンスは一瞬ですよ。
駅のホームで上を見上げると、頭上には満開のソメイヨシノが。
毎年4月中旬には、「花見だよ!in能登さくら駅」というイベントが開催され、
太鼓の演奏や歌謡ショーが行われます。
一時間に数本しか来ない列車の中には、学校に通う中高生の姿がぽつりぽつりと。
過疎化の影響でローカル線がどんどん廃線になるいま、
この桜とともにいつまでも残り続けてほしい景観です。
桜の花びらが散ってしまった後は、瑞々しい若葉がプラットフォームを覆い尽くします。
蝉の声が聞こえてきたら、いよいよ夏本番です。
プラットフォームでは、木々の間から七尾湾がちらり。
木陰で涼んでいると、海からの風が体を吹き抜けます。
七尾線に乗って、七尾湾の景色をぐるりと周遊するのもオススメです。
電車が通る度、桜が舞う。それだけじゃなく、海や緑の自然に囲まれたこの雰囲気が人気の秘密。