七尾湾の水面に顔を出した丸太組のやぐら。
この不思議なやぐらは、ぼら漁のために建てられたやぐらで、
その漁法の始まりは江戸時代にまでさかのぼります。
ぼらは音に敏感で警戒心が強い魚のため、このやぐらの上に待機して、
海底に仕掛けたフクロ網を見張ったそうです。
そして、ぼらの群れが網の上を通り過ぎるタイミングで一気に引き上げます。
かつては、湾内に数多くのやぐらを見ることができたそうですが、
徐々に減少していき、1996年を最後にこのやぐらを使った漁は廃止されました。
いまは観光用のモニュメントとして、その姿が残されています。
かつてボラ漁の盛んだった七尾湾穴水周辺。
ぼら待ちやぐらを使った漁は、
魚の大群が通るのをひたすら待ち続けるという何とものんびりした漁法ですが、
ゆっくりと時間の流れる波静かな七尾湾を見ていると、
どうしてこの漁が盛んに行われるようになったのか、
その理由がわかるような気がします。
ぼら(魚)が入ってきたら網を引き上げる。それまでずっとやぐらで待つ。そんな原始的な漁が江戸時代から1996年まで続いていたらしい。だから能登の人は待つのは平気?