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注目文化 花嫁のれん

江戸時代から、加賀藩の能登・加賀・越中に伝わる庶民の風習。嫁入り道具として持参するのれんは、加賀友禅で鮮やかに染め抜かれた、家紋入りの一点モノ。まさに花嫁の宝物といえる代物です。

 花嫁のれんとは、加賀藩の嫁ぐ女性が持参する“嫁入り道具”のひとつ。婚家先の仏間の入口にかけられ、花嫁はそれをくぐってご先祖様にあいさつをします。こうして初めて嫁入りすることが認められ、その後に結婚式を始めるというのがこの地方の習わしです。

 花嫁のれんは結婚式で役目を終えると、そのまま箪笥にしまわれてしまうのが一般的。しかし七尾の一本杉通りでは、そんな各家のれんを一挙に展示する「花嫁のれん展」が、毎年4月29日から母の日まで開催されます。

 こちらは「鳥居醤油店」さんの花嫁のれん。奥に見える宝船の描かれた一品は、現女将の義母・ふみ子さんのもの。戦時中に両親から贈られたこののれんは、60年以上も箪笥にしまわれたままになっていたそうですが、「花嫁のれん展」がきっかけで表に出すことができ、ふみ子さんはそこで初めてのれんをくぐることができたそうです。

こちらがのれん本来のかけ方。
手前の花嫁人形は、「花嫁のれん展」に感動した来場者の方から贈られたものだとか。

「北島屋茶店」さんに展示された花嫁のれん。
酉年生まれの新郎にちなんで鶏の意匠が描かれています。
期間中はそんな美しいのれんを目の前に、お抹茶挽きの体験もできます。

「高澤ろうそく」さんにて。ちなみにこれは男性が婿入りする時の“花婿のれん”。
お嫁さんののれんに比べ、シックな色合い&シンプルなデザインのものが多いとか。

「歩らり」さんに代々受け継がれている花嫁のれん。
期間中は、“家宝”を間近で見られる珍しい機会なので、
これを目当てに全国からたくさんのお客さんがやってきます。

花嫁のれんは嫁いで行く娘に母が思いを込めて贈る大切なのれん。その思いが色んな絵柄で表現されて、時代背景等によっても使う色があったりと、1枚1枚に物語があり、花嫁のれん展はそれが百数十枚も見る事ができる意味深いイベントです。沢山の方が訪れるのれん展の期間は、多田屋にも若女将が持って来た花嫁のれんを飾りますよ。

多田 健太郎

多田 健太郎
多田屋6代目若旦那

花嫁のれん展 映像紹介

ここに行く

多田屋から車で15分

石川県七尾市一本杉通り

Google Mapsで見る

七尾市一本杉通りでは、
4月29日~母の日まで
各家、各店内(50軒)に
約150枚を展示する、
「花嫁のれん展」が開催されます。
ぜひお越しください。

http://ipponsugi.org/noren/

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